「アジアと日本の関係」を論述するヒント
小論文頻出テーマの一つ「日本とアジアの関係」は論述しにくいテーマです。ですからできるだけ具体的な例を挙げながらの論述が考えられます。
たとえば「日本がアジアの一員である」ことを、学校でのクラスメートとの関係にたとえながら考えるなどすると、大変分かりやすい説明ができる可能性があります。身近な例を挙げることによって、「共通点がなくても、仲間である、という意識を持つことが大切」と主張しても、説得力が出ていると思います。
では、アジア諸国の人々に「手を広げ」、「関係を変えていく」には、具体的にはどうすればよいのでしょう。例えば「どちらも警戒しすぎている」と、あなたが考えるのであれば、その「警戒」とは、いったいどのような感情なのでしょうか。こうした点に注意しましょう。
まずは 日本人側の「警戒心」について考察を深めましょう。
同じアジア人であっても、文化や風習などに違いがあれば、まるで異なる文化圏に属する人々、といった印象を日本人は抱きますね。だからといって区別をするのは「おかしな話」だ、という指摘はもっともだと思います。さらに、お互いの関係作りを妨げているのは、「警戒心」ではないか、と気づいている点は評価できますね。そこで、そこから一歩考察を進め、「では、この警戒心を取り払うには、いったいどうすればいいのか」と、自問自答することによって、より視野を広げることができたのではないでしょうか。
そもそも、日本人が抱く「警戒心」とは、相手がアジア人だから生じるものなのでしょうか。それは、日本人が一般に外国人に対して抱く「警戒心」ではないか、とも考えられますね。島国に生きる日本人は、いってみれば、クラスの中は仲がいいけれど、別のクラスの同級生とはあまり付き合いがない、といった状況に置かれているように思います。クラスという枠組みをこえて友達を作るには、何らかのきっかけや努力が必要となりますね。それと同じ種類の努力が、日本と諸外国、中でもアジア諸国との間に必要とされているのではないでしょうか。
また、アジア諸国との隔たりには、お互いの社会の経済格差もわざわいしているように思われます。自分の家に比べ、10分の1の収入で生活しているクラスメートがいるとしたら、あなたは、そうした格差を意識せずに付き合っていくことができますか。私たち日本人は、無意識のうちに、アジア諸国を後進国のように考え、自分たちと区別をしているのではないでしょうか。
このように、まず、自分自身が抱いている「警戒心」について考察することで、アジアにおける日本の位置づけについて、また新しい視点から認識できるかもしれませんね。
次に 日本人に対する「警戒心」について考えていきましょう。
中国をはじめ、アジア諸国が日本に対して抱いている警戒心とは、いったいどのようなものだと思いますか。
それは単に、文化や宗教の違いから生じているものではないでしょう。その背景には、先の戦争中に日本が行った、侵略の事実があることを忘れてはならないと思います。その結果、戦後50年以上が経過した今でも、日本とアジア諸国との関係がまだ十分に改善されていないとすれば、これはやはり大きな問題ではないでしょうか。これからの世界情勢の流れの中で、日本がアジアの一員としての意識をもつ必要性はどれくらいあるのだろうか、また次第に勢力を伸ばしつつあるアジア勢力の中で、日本の立場はどのように変化していくのだろうか、などとあなたの視点から考えてみてください。そうすると、日本とアジアの関係がどうあるべきかが見えてくるのではないでしょうか。
また、これは、国家間の問題であるだけでなく、私たち一人一人の意識の問題でもあるように思います。戦争に端を発した、アジアとの関係の希薄さを解消し、日本の国際関係の可能性を広げていくのは、「共通点のなさ」にこだわらず、相手と付き合っていける広い視野をもった、若い世代の課題でもあるのかもしれません。この点について、あなたはどのように考えますか。
国家間の関係や、経済問題を、無理に論じようとする必要はないと思います。まず、一人一人が、アジア諸国と日本との間にある隔たりの意味合いを理解し、それを解消しなければならないという意志を持つべき、といった考察をすることも可能ですね。例えば、身近にアジアからの留学生がいたとします。その人から、「戦争責任について、今の日本人はどう考えているのか」といった質問をされたなら、あなたならどう答えるでしょうか。このように、自分なりの視点をいかして、自問自答を深めてみることもできるでしょう。
テーマ「アジアと日本の関係」を考察関連エントリー
- テーマ「望ましい高齢化社会」を考察
- あなたの考える望ましい高齢化社会としてアウトラインシートにはいろんなことがあげてみましょう。
- テーマ「経済発展に伴う問題点」を考察
- 社会の成功の原因を究明する際に、社会の発展原理に潜む問題点についても併せて取り上げ、何が問題なのかを突き詰めて分析してみるとよいでしょう。
- テーマ「アジアと日本の関係」を考察
- 小論文頻出テーマの一つ「日本とアジアの関係」は論述しにくいテーマです。ですからできるだけ具体的な例を挙げながらの論述が考えられます。